山一造園株式会社

山一造園株式会社

Tel:048-571-5088(10:00〜17:00)

山一ガーデンプロジェクト

Yamaichi Garden Project

ランチ営業しながらの作庭

オープンして約1ヶ月。

3月はお昼のみの営業となりましたが、大勢の方々にご来店頂きました。心より御礼申し上げます。
まだ行き届かない場面もありますが、常に改善案を出し合いご満足頂けるよう務めてまいりたいと思います。

 庭の進捗は、今月は中々進みませんでした。次月はチャージを掛けたいと思います。
水盤の基礎工完了と石積みの進み具合をアップします。

このコンクリートの張り出し、「水を張る予定です」と答えると「やっぱりね〜」と興味を示して頂ける。
腰高の窓からはその水面が目線にはいるように、食事をしながら眺めることができるよう戸谷先生が設計してくれた。

そしてここに水を張るには流れを造り、滝口を造らなければいけない。
さらにその工程に行くまでは外回りの石積みを終わらせなければいけない。

鬼石の採石場へ仕入れに行き、1つ1つすべて選定して運んできている。
自然石の面と控えをよく見てトラック1台積むのに2時間はかかる。
すでに6台以上積んできた。その3倍はまだ必要になる。
仕事の合間で積んでいるのでなかなか思うように進まない。

この仕事に使用している道具はというと、下記の画像にある5点の道具のみ。
剣スコップ、突棒、タコ、バール、そしてコヤスケ。

昔、田舎で棚田の石垣を積んでいたおっちゃんの道具もこんな感じだ。
いや、おっちゃんなどと言うと失礼だ。農夫でありながら匠の域である。
今、この積み方で石を積む職人が造園界にどれだけいるだろうか?
大概、コンクリートで裏込めをして目地はモルタルで固めてしまう。
セメントに頼ってしまうので、取って付けたような据え方でもある程度崩れることはない。

しかし、その石の本来持つ美しさや、垣の味わいと重みはそのコンクリートやモルタルで打ち消されてしまう。
それ以前に、裏込めをコンクリートで固めることでその内側の土壌の環境が変わってしまう。
水と空気の通り道が遮断され土壌が痛み死んでいく。水抜き穴ぐらいでは解消されない。
ということはそこに植えられる樹木も健全に生育できるはずはない。

そこでこの空積みをすることで水と空気の通気性を確保し、土壌を健全に保つことが出来るのだ。
昔の農夫の匠はすべて解っていて石垣畦を積んでいたのだろう。
そして今注目されている「大地の気脈・水脈」の理論をこの石積みで実践する。

もう一つ、気持ちが折れそうになっても、意地でも積み上げようとしている理由の1つは、我々造園業界へ意識改革のメッセージなのだ。
私達はまだまだ習得できていない事は沢山あるが、今後益々厳しい経済環境の中で存続していくには顧客の要望に応えるだけでなく、
文化として受け継がれてきた技術や想いを現代に合わせて創って行くことが必須である。
街の景観の中にそのようなものを増やすことが我々のできる貢献だと思う。
そして造園界がその街になくてはならない存在になることで多くの人々に豊かさを提供でき、自ずと業界の地位向上も実現するのだろう。

先ずは我が社がこの深谷で実践していく。