数十年経った庭を改修するご依頼。
今はどこか遠くに旅行に行ったり、美味しいものを食べたり
高価なものを買ってみたり、そういった事よりも
日々の生活の中で美しいものを見ながら
おだやかな気持ちで過ごしたい。と、ご年配の奥様からの御依頼でした。
様々な人生経験をされた方の言葉。
人の欲求は様々ありますが、それが真実なのかもしれません。
そのような場面で、我々庭師が貢献できることは素晴らしいことであると
感じながらも、まだまだ精進しなければと感じました。
白梅の古木に永徳寺型燈籠を据え、新潟の景石を。
既存の赤松等の植栽が出す気勢を活かしながら。
出雲の古代雪見燈籠と生命力を感じる幹感のアオダモを寄せました。
そして古い野村モミジの足元には御影の雪見燈籠を据えると景色が一変しました。
縁側からお茶を飲みながらこの景色は心を落ち着かせてくれそうです。