いよいよ待ちに待ったエントランス、中庭兼用スペースの植栽が開始。
半年以上前から計画していたコナラが定植する。
その前に、土壌改良だ。
前日に大雪が積り、融け出して悪条件だが強行する。
先ずは水脈、気脈を少しでも良くする。
4尺の軒先には雨どいは付けていない。
雨の日に軒先から滴り落ちる雨水を風情と考え外した。
ほぼ水平に伸びる屋根は極力薄く作り、棟も高さを抑えた。戸谷氏の意匠だ。
しかし地中に落ちた雨水を滞らせるとそこに植えた樹木が腐る。
少しでも水の流れを作るとともに、締め固まった土壌に空気が通りやすくなるように溝堀し、
地中に水と空気の流れる層を設ける。
先日学んだ大地の再生講座で学んだことを実践してみる。
昔の工法、竹の節を抜き、ふせ、枯枝やバーク等を入れ根っこを誘発
スケルトンバケットでひたすら天地返しをする。大きい石も取り除く。
現状の土壌は山ズリである。締め固めると強固な盤となるが大割の栗石を除いていくと山砂のようだ。
ここに有機バークやチップをまくと程よくなり、樹木も生きていける環境に近ずくだろう。
竪穴式の竹筒を入れ、酸素管の代わりにする。
竹筒は節を抜き、叩いてヒビを入れ、中には単粒の石を入れる。
そのヒビから周りの水が浸透し、竪穴の浸透筒ともなる。
ここはすべて自然の有機物で構成された。
ほぐした土壌にバークを足し、攪拌する。
そしてコナラが運ばれてきた。
何十回もイメージして来たものを、一発勝負で植える。
樹木の植栽は図面や写真、設計の線だけでは絶対に決まらない。
樹木をガン見し、植える席で何回もイメージすること。
大事なのはその樹木がどのように植えられたいのか。
「木の声を聴け」とよく教わったが、そういうことなのだ。
私達が正しいとは限らないが、植栽にはそんな心持ちで向き合っている。
だからほとんど枯らさない。
美しい幹肌のコナラ。樹齢はかなり古い。
環境の厳しい中で育ったため太りすぎず、締まっている。
軒先ギリギリにあえて寄せる。
窓の傍に座るお客さんにはこのコナラの幹を見て、
見えない葉の茂りを想像しながら安らぎを感じてもらえることを願い、植えこむ。
人もこのコナラのようになれればいいのかな。。 自然は教えてくれていると思う。
そして2本目。これが絶妙なバランスで組み合った。
ここはコナラの群生にする。
そしてデッキを張り巡らしオープンカフェにもできる。
続きの植栽が待ち遠しい。
つづく。。。。。