山一造園株式会社

山一造園株式会社

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山一ガーデンプロジェクト

Yamaichi Garden Project

石積み材の変更、そして三波の山へ

当初、あまり目立たない場所に自社の在庫三波石を処分がてら積み始めたわけだが、
手に取り、扱っていくうちにすごく良い石だと感じてくるようになった。
ここから先、三波でいくか佐久石で行くか、、、

三波石の採石場では原石を大きな鋼鉄のドラムで転がし、角を取り、磨かれて綺麗な景石となっている。
そのような景石の肌は石の目やチャートと言われる化石などの堆積した部分が帯状に現れ、
四国青石などの名石と同じに高級感が漂う石となる。

実はこの藤岡近郊の三波石は比企郡から長瀞〜秩父を通り、その延長線上は長野を抜け、
紀伊半島から四国〜九州にまで同じプレートとなって続いている層であるらしい。
これを三波川帯という。産地により多少質感の違いはあるが要は同じということだ。

私が魅力を感じたのは、転がした綺麗なものではなく原石だ。
なぜならば原石は薄く剥がれる片理であるために、小端に表情が出る。
苔ものるのだ。当初計画した佐久石は安山岩であるが故、硬い。
色は茶系で落ち着きを見せるが表情はのっぺりだ。

色々頭の中でイメージしていくうちにこの原石の三波でいこうと決めた!。。次の日には鬼石の採掘場にいた。

鬼石の㈱ふじしげさんに連絡をし、社長と色々話をして丁場に行かせてもらうことになった。

藤岡市と神流町の堺になるのだろうか。山に入っていく。
神流湖のはたに綺麗な矢羽積みの石垣が積んである。
石材をよく見ると・・・三波だ。良い感じだ。
しかも原石。長瀞や秩父でもよく見る風景だ。
そう、これが私たちの地域性が現れた修景である。

昔の人はそこにあるものを工夫して使い、暮らしていく中で自然と集落の修景となった。
用と景が程よい感じだ。戸谷先生も皆野の青石を使った建築を今後考えているらしい。
いつかそんな建築とコラボ出来たらいいなと思う。

登坂の途中、横目に神流湖。湖は心が穏やかになる。

そして広い丁場に着く。この日の午前中は赤城山の丁場にいた。
今年は相当な数の採掘場に登った。すべてはヤマイチガーデンの石積みの為に。
長野や栃木、遠方まで出向いたが灯台下暗し。答えはすぐ近くにあった。

この原石の山から一つ一つ自分の手で選定をし、積み込む。
数十万かけて仕入れた佐久石がまた在庫になってしまうが、遠回りをして良い勉強になった。

つづく・・・・・