毎年、沢山のご用命を一家で頂いているB養蜂園のK様。
八月末に、天然の竹垣がそろそろ朽ちてきたので新しい竹垣のご依頼でした。
近年、塩ビ樹脂の物が多くなり天然の竹を使っての仕事は減少しています。そのような中、「やはり天然の方が趣があっていいでしょう?」との言葉に嬉しさを感じました。確かに天然竹は8〜10年ほどで朽ちてしまいますが、青竹からさらし竹に色変わる時間や色々な表情の節など、本物の風格とでもいいましょうか。ニセモノには出せません。
今回は基本中の基本。建仁寺垣を創ります。1級造園技能士の実技試験でもこれをつくります。
若い世代にも貴重な経験です。竹を割ることから始めます。割り方もきちんと掟があり、そのようにすることにより仕上がりに強度と美しさを出すことができます。
そして、立子の下端に流すヌメ板のホゾを柱に入れます。
柱を建て込み、胴縁を流します。
立子のかきつけです。この時の節の使い方で表情が決まります。基本は節を揃えないこと。
そして笠に玉縁を縛ります。この結い方はうっかりすると忘れてしまうような難しさがあります。
そして完成です。
このような仕事も庭師として次の世代へと伝えて行かなければいけない文化の一つだと思い、今回アップしまてみました。この竹垣は京都の建仁寺が由来となっています。はっきりとした時代はわかりませんが400年ほど昔から伝わっているものだと思います。このような機会を与えてくださる施主様に感謝致します。